【沖縄の怖い話】泊まりたくない部屋

引っ越し先のアパート

ランプA
 

「引っ越しした部屋が×××だった!」という怪談話はよく聞くが、それを身近な人から聞くとは思わなかった…

しかし、この友人の場合は、オチがちょっと変わっていた。

環境が変わる引っ越しは、慣れていない人にとっては、大変なことだと思う。
しかし、私の場合は、これまで引っ越しを何度か経験しているので、新しい環境への適応力があり、なじめなくて困ることはなかった。

今回も条件に合う複数のアパート物件を探し、いろいろ比較してみて気になった部屋があったので、不動産に連絡して部屋の下見に行った。
案内された部屋は、室内に窓からの光が入って明るく、角部屋だし家賃の条件もよかったので、すぐに入居を決めた。

自分で決めた部屋だったが、なぜだか泊まりたくなくて、荷物の移動をしていた間は、前のアパートで眠っていた。
いよいよ部屋を引き払う日が来て、ついに新居へ移った。

引っ越す前は、泊まりたくないと思っていたが、住み始めると仕事の忙しさもあって気にならなくなったが、数日くらい経って変な夢を見た。

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【沖縄の怖い話】線香のにおい

微かに香る線香のニオイ

ランプB
 

死のニオイを感じとれる人がいると言ったら信じるだろうか。

この話をした本人は、気のせいかもしれないし、偶然かもしれないと言っていたが、私の感想としては偶然ではない…と思う。

– 初体験 –

初めて経験したのは職場だ。
パソコンを使って作業していると、線香のニオイがしてきた。
職場で線香のニオイがするなんて珍しいなと思いながらも仕事を続けていた。
漂うニオイを嗅いでいると、少し変わった点があることに気づいた。
線香のニオイは、火をつけたときのように、ハッキリとしたものではなく、服についているような細い香りで、今にも消えそうなものだった。
そのため、社員の誰かが自宅で線香を使ったときの移り香で、すぐにニオイはなくなるだろうと思った。
しかし、しばらく経っても線香のニオイは消えずに漂っている――。
これはいくらなんでもほかの人も不思議に感じているだろうと思い、反応を見るため、顔を上げて周りを見回すと、みんな無反応だった。
とても微かなニオイだったので、やっぱり自分の勘違いか…と片付けて仕事に戻ったが、ニオイは消えない。
あまりにも不思議だったので、思い切って隣の席にいた社員に線香のニオイがしなかったか尋ねてみた。
すると、変な顔をして線香のニオイなんてしないと答えが返ってきた。
このやりとりから、会社で線香のニオイはあり得ない、やっぱり自分の気のせいと結論づけ、そのまま仕事を続けた。
このときはこれだけだった。

– 数年後 –

次に経験をしたのは、初体験から何年も経ってからだ。
このときも仕事中で、前回とまったく同じことが起きた。
仕事をしていると、また微かに線香のニオイが漂ってきた。
前回は「気のせい」と片付けていたので、再び起きた現象に驚いて周りの反応を見てみたが、やっぱりほかの人は無反応だった。
二度目だったので、どうやら自分以外には気づかないモノらしい…と割り切り、仕事を続けた。
線香の香りは、しばらく漂っていたが、仕事に集中しているうちに気にならなくなり、気がつくといつの間にかニオイは消えていた。
このニオイがあった日から約一週間後に、上司の家族が亡くなったと聞かされた。

– あることに気付く –

また、線香のニオイがした。これで三度目だ。
友人と話をしていると、微かに線香のニオイがし始めた。
もう三度目だったので驚くことはなかったが、なぜほかの人には匂わないのだろう…と思いながらも、あまり深く考えずに会話を続け、その日はそのまま別れた。
後日、友人の家族が病気で倒れ、数か月後に亡くなった。

この三度目の経験から、線香のニオイは人の死と関係するかも…と考えるようになった。
理由は2つあって、一つは、微かに香る線香のニオイは、葬儀に参加したときに嗅いだことのあるニオイで、香りがしたときは葬式を連想すること。
もう一つは、線香のニオイがした後は、誰かが亡くなるという共通点があったこと。
単なる偶然かもしれないが、あり得ないところで線香のニオイがする場合は、なにかトクベツなものなのかもしれない。


この話を聞いた後、同じような事例がないか、インターネットなどで調べてみた。

すると、似たような体験談を書いた記事もあり、線香に関しては今回の話のように「死」を意味すると解釈しているものが多く、「死後に訪れてきた」という説や、「『虫の知らせ』のような死の予兆」という説も見かけた。

ほかにも「花のような匂い」「腐ったものの匂い」など、周囲の人には匂わないモノを感じ取っている人もいるらしいと知った。

一人の人が言っても虚言にしか思えないが、複数の人が似たような話をしている点が興味深いと印象に残った話だった。

ちなみに、この話をした人だが、線香のニオイが頻繁にするわけではなく、ふいに発生する現象とのこと。

毎日不可解な現象に悩まされるわけではないので、「やっぱり気のせいだったかも」と流している。

それでも数回同じようなことが起きれば偶然とは思えないのは私だけだろうか?

【沖縄の怖い話】「視える」と「聴こえる」

–はじめに–
この話は場所や人物が特定されないように編集した部分もあるが、実際に見聞したことをまとめたものである。

「視える」と「聴こえる」

サトウキビ畑
サトウキビ畑

IとZは同級生だ。

いつも学校で一緒に行動していたが、学校が休みに入ったので、外で待ち合わせをして会っていた。

待ち合わせの場所はだいたい決まっていた。

学生だった二人はカフェなどへは行かず、公園を利用していて、そこでおしゃべりをしていた。

ふだんは、映画の感想やバイト先のことなど、学生特有のたわいのない話が多いが、たまにIは怪談をすることがあった。

Iは不可解な出来事の話や都市伝説、怖い話などが好きで、どこからか話を聞いてきては「こんな話を聞いたよ」と、Zに話したりしていた。

Iは今回もどこからか仕入れてきた怖い話をZに話した。

話が終わって、Iはこう締めくくった。

「やっぱり幽霊が視える人って大変だよね。生活していて見えていたら恐ろしくて耐えられないよ。私は幽霊が見えなくてよかった」

ZはIの話をうなずきながら聞いていた。

いつもは「怖い話だね」など、ひと言で終わるのだが、今回は珍しくZはIにこう質問してきた。

「じゃあ、視えるだけと聴こえるだけって、どっちが怖いかな」

そして次のように話し出した。

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