【沖縄の怖い話】泊まりたくない部屋

引っ越し先のアパート

ランプA
 

「引っ越しした部屋が×××だった!」という怪談話はよく聞くが、それを身近な人から聞くとは思わなかった…

しかし、この友人の場合は、オチがちょっと変わっていた。

環境が変わる引っ越しは、慣れていない人にとっては、大変なことだと思う。
しかし、私の場合は、これまで引っ越しを何度か経験しているので、新しい環境への適応力があり、なじめなくて困ることはなかった。

今回も条件に合う複数のアパート物件を探し、いろいろ比較してみて気になった部屋があったので、不動産に連絡して部屋の下見に行った。
案内された部屋は、室内に窓からの光が入って明るく、角部屋だし家賃の条件もよかったので、すぐに入居を決めた。

自分で決めた部屋だったが、なぜだか泊まりたくなくて、荷物の移動をしていた間は、前のアパートで眠っていた。
いよいよ部屋を引き払う日が来て、ついに新居へ移った。

引っ越す前は、泊まりたくないと思っていたが、住み始めると仕事の忙しさもあって気にならなくなったが、数日くらい経って変な夢を見た。

引っ越しした部屋のベッドで仰向けで寝ていたが、ふと目を覚ました。
ベッドの下に誰かいる… 人の気配がする… それが、なぜだがわかるのだ。
見たくはないのに、ベッドの下を確認するため、私は体を起こした。
そして、おそるおそるベッドの上から下をのぞこうとすると、ベッドと床の隙間から女の人が半分だけ顔を出して私を見ていた。
頭から鼻の半分あたりまで見えているその顔は無表情で、ただ私を見ていた。
そして… もう一人誰かいる。
ベッドの上にいるので、見えないはずだが、ベッド下の奥、つまり壁際にうつぶせ状態の男がいると感じた。

自分のベッドの下に、見知らぬ男女がいて、女は私をにらみつけ、男はベッドの奥で動かずにうつぶせでいる…。
二人とも何もしゃべらないが、無言のままでも圧力があり、私を寝かさないような雰囲気を醸し出していた。

想定外の状況に恐怖が走る――

自分が住んでいる部屋に他人がいて、よりによってベッド下にいるなんて怖い!
はずだが、それよりも睡眠を邪魔されていることにイラつき、つい「寝かせろよ!!」と怒鳴り、そのまま眠った。

翌朝、目が覚めた後に、そういや怖い夢を見たかも…くらいに覚えていた。
「しょせんは夢だ」と気にしなかったが、これ以降、部屋に対して「何か嫌だな~」という感覚が消えたことが不思議だった。


途中までは怖い話なんだが、ラストが…

語った本人は「夢だと思う」と言っていたが、怪談好きの私からすると、「違う!」と言いたい。