占い師なの?沖縄の「ユタ」ってなに?【沖縄の民俗学】

~琉球おきなわ民俗(わが家での場合)~

琉球時代の沖縄の風俗を描いた絵に、ユタらしき人がいることから、ユタはむかしから沖縄で活躍していたことがわかる。

むかしから知られている沖縄独特の卜者

ユタ
琉球時代のユタ

※ イラスト内の画像「国立国会図書館ウェブサイト」より。

ユタとは?

たまにテレビの特集番組にユタが出演していたり、インターネットで検索すると、ユタに関する情報はたくさんあるので、沖縄県民以外でも知っている人は多いようだ。

地元・沖縄ではどのような状況かというと、ほとんどの人がユタを知っていて、一般的に「ユタは、占いを職業としている者」と解釈している人や民俗本が多いように思える。

「占い」というと、手相占いなどいろんな種類があったりするが、ユタはちょっと別格扱いになっていて、霊的能力を備えた者が修行を経て、霊力を使った占いをすると考えられている。

占う方法としては、米粒を使った占いが、むかしは一般的だったようだが、タロットを使ったり、紙に何か文字を書く、地図を使って方位や方角などを基にしていた…と聞いたことがあるので、ユタによって占い方はさまざまのようだ。

占う方法はいろいろあるようだが、ユタが占っている最中については共通している点があって、目に見えない何かから話を聞いていて、それを依頼者に伝えているようだと言う人が多い。

ユタは、ユタ自身の守護神、または依頼者の守護神や先祖霊から話を聞いて、それを基に占いを始めるというから、この独特の方法から霊能力者という位置にいるのかもしれない。

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占い師なの?沖縄の「ノロ」ってなに?【沖縄の民俗学】

~琉球おきなわ民俗(わが家での場合)~

沖縄の「ユタ」のことを知っている人は多い。

ユタのことを知った経緯はさまざまだと思うが、以前、全国的に占いが流行っていた時期があり、テレビで特集された番組があった。

そのときに、出演していた占い師のなかに、沖縄出身のユタの方が数名いたりしたので、「ユタ」が有名になったキッカケはテレビ番組の影響が大きいと思う。

その一方で、「ノロ」を知っている人は少ないのではないだろうか。

そこで、琉球時代に祭祀を司り、畏敬されたノロについて紹介していく。

ノロは、祝女・神人・奴留とも呼ばれる巫女

ノロ
琉球時代のノロのイメージ

※ イラスト内の画像「国立国会図書館ウェブサイト」より。

ノロとは?

「ノロ」は、琉球王朝時代に王府から任命された神女。

ノロの呼び方・書き方はいろいろあるようで、「ノロ」「神人(=カミンチュ)」「祝女」「奴留」と書かれている書物もあった。

歴史の流れからみると、沖縄ではもともと女性が祭祀ごとを主宰している。

「琉球神話」によると、女性は男兄弟を守る神で、強い力(霊力)を持っていると考えられていて、政治は男性、祭祀は女性と役割分担していた。

これが琉球時代になると、王府が組織化を行なって、村(間切りなどの行政単位)の祭祀を行う者、つまり「ノロ」を任命するという形になった。

神職の組織は「聞得大君」をトップとしたもので、その下にたくさんのノロがいたという。

ノロは、王府から辞令を受けた地へ行き、その地の祭祀を主宰した(辞令地はノロの生まれた村だという)。

琉球王府が終了し、沖縄県となっている現在、ノロは公職ではないが、いまでもノロが祭祀を主宰している地域もあり、伝統が続いているところもある。

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