半日ツアーを利用して久高島をめぐってみた(南城市)
神の島といわれている久高島は沖縄では最高峰の聖地として知られている。
「島へ来る人は島が選ぶ」という類の話を耳にする神秘の島で、これまで久高島へ行くのは尻込みしていた。
また島には聖地があちこちあるようで、知らずに拝所などへ入ってしまわないかなど気にかかることもあって躊躇していた。
しかし、ひょんなことから島の人を紹介してもらい久高島を案内してもらえることになったので、半日ツアーで久高島をめぐってみた。
久高島のようす
■久高島…面積:1.38k㎡/周囲:8.0km
久高島はフェリーだと25分かかるが、高速船を使えばわずか15分で島に到着する。
今回の旅はガイドさん任せだったので、どこへ行くのかは未定のまま島へ渡り、待ち合わせ場所でガイドさんと合流した。
すぐに島たびがスタートし、ガイドさんは車を使って久高島を案内してくれた。
伊敷浜
はじめにイシキ浜へ行った。
イシキ浜は真っ白な砂浜のある海岸で、青い空との彩りが鮮明で景色がよかった。
~ガイドさんの話~
- イシキ浜は沖縄に五穀をもたらした始まり場所。浜に黄金の壷が流れ着き、そのなかに入っていた穀物が沖縄中へ広がっていった。
- 斎場御嶽にある砂はイシキ浜から運んできたもの。もともとは琉球王が直接久高島へ訪れていたが、斎場御嶽から久高島を拝むようになってからは島とつながりを持つため久高島から大量の砂を運んできた。
- ウミガメの産卵場所となっていて時期になると海からカメたちがやってくる。
ガジュマル
立派なガジュマルが立つ場所で少し休憩した。
木の下にはベンチが用意されていて、ガジュマルがつくる木陰は涼しかった。
ふと古い木にはキジムナーと呼ばれる木の妖精がいると祖父母から聞いたことを思い出した。
そこでガイドさんにキジムナーは存在するのか尋ねてみた。
~ガイドさんの話~
- キジムナーは存在する。ただほとんどの人にはその姿が見えない。
- このガジュマルにもキジムナーがいて、いたずらっ子で子どもによくチョッカイを出すという。
どうやら久高島にも沖縄本島と同じようにキジムナーの伝承はあるようだ。
カベール岬
カベール岬は徳仁港から一番遠くにある場所だが小さな島なのですぐに到着した。
とても眺めのいい場所で、遮るものはなく海が広がっていた。
カベール岬へは真っ直ぐな道が伸びていた。
気持ちいいくらい直線の道だが日陰をつくってくれる高木がなく、自転車で島めぐりをしていた観光客を見ると日差しがきつそうだった。
植物
カベール岬周辺には珍しい植物群落があるようで説明板が設置されていた。
久高島は開発が少なく、むかしのままの植物群落が残っている貴重な場所にもなっているようだ。
東屋(ロマンスロード)
道中、ガイドさんは久高島の祭事や島の様子を話し、ポイントとなる場所に着くと車から降りて見に行くという内容で島を一周した。
島の生活について次のようなことを話していた。
~ガイドさんの話~
- 久高島は今でも祭事が多く、むかしの沖縄のようすが残っている貴重な島。
- 祭事には島全体で取り組み、むかしながらの方法で受け継がれてきていることが多い。
久高島は民俗学的に貴重な場所として有名で、研究に訪れたりする学者もいるという。
島に「久高島宿泊交流館」という施設があり、久高島民俗資料室が併設されているが、そこでは島の歴史を垣間見れる場所だ。
興味がある人は寄ってみるといいかも。
聖地 クボウ御嶽
久高島のなかでもクボー御嶽は重要な聖地といわれていて、平素は立入禁止となっている有名な拝所だ。
クボー御嶽は「琉球開闢七御嶽」のひとつとなっていて、むかしから聖地として知られている。
~ガイドさんの話~
- ふだんは立入禁止で、祭事のときだけ女性の神人が入ることができる男子禁制の聖地。
- 沖縄にある御嶽などの神聖な場所は人によってアタルことがあるので、むやみに入らないよう気を付けたほうがいい。
拝所や御嶽と呼ばれている場所はむやみに入るのは禁止で、この禁を犯すと罰が当たるという考えは今でもある。
都市伝説化している部分もあるが、古い史料に禁を犯して精神に異常をきたしたという記述があったりするというから、伝承は守るに越したことはないと思う。
【こぼれ話】沖縄で重要視される火の神
沖縄では台所で祀る火の神を重要と考えていて、「火の神を通して拝みなさい」という言葉を聞いたりする。
これまで理由がわからずにいたが、ガイドさんによると、各家庭にある火の神に祈願すると、そこからほかの火の神へつながったり、先祖や守護者へ声が届くようになっているからだという。
現在でもほとんどの家庭に火の神が祀られていて重要な位置にある。
◇
半日の久高島ツアーだったが満足度が高かった。
ふらりと離島へ行き自分で島あるきをするのもいいが、島のことを知っているガイドさんが付いていてくれると歴史を学びながら島をめぐりができて面白い。
同じ沖縄県でも島によって個性があるので、初めて離島を訪れる場合はツアーを組んでみるのもいいかもしれないと思った。
久高島の集落
ツアーの後、フェリーの出港まで時間があったので久高島の集落を散策してみた。
離島独特のゆっくりとした時間が流れていた。
沖縄の人は平日の昼間は日差しが強いため外出を避けることが多いが、久高島も同じで町中には人気はなかった。
「食事処とくじん」でランチ
久高島めぐりを終え、いい具合にお腹もすいていたので「食事処とくじん」を訪れた。
メニューを見ると、郷土料理でも珍品に入るイラブー料理があった。
せっかくなので注文して食べてみたが、美味しくて満足できた。
関連する記事
久高島旅客待合所
徳仁港から離れた場所にある久高島待合所は、少し高台になっていて港が見えるようになっていた。
エアコンがきいている快適な施設だが、港までは距離があるため移動には少し余裕を持ったほうがいいかもしれない。
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安座真港(南城市)から久高島へ
沖縄本島の南城市にある安座真港から久高島行きの船が出港している。
初めてだとわかりにくい場所だが、あざまサンサンビーチのとなりなので、ビーチを目印にして運転すると探しやすい。
港は駐車場が完備され、待合所はクーラーがきいているため快適だ。
久高島へわたるフェリー
■久高島行きの船の基本情報(2018年)
高速船とフェリーが交互に運航していて一日6往復している。
(変更されることもあるので、最新の情報確認が必要だ)
フェリーくだか
・所要時間…約25分
・運賃(おとな料金)…片道 670円/往復 1280円
安座真港(沖縄本島)→徳仁港 | 徳仁港(久高島)→安座真港 |
---|---|
10:00 14:00 17:00 |
09:00 13:00 16:30 |
※自動車航送運賃(4~5m未満)…片道 6160円/往復 11710円
(フェリーのみ。運転者1名分の運賃含む)
ニューくだか(高速船)
・所要時間…約15分
・運賃(おとな料金)…片道 760円/往復 1460円
安座真港(沖縄本島)→徳仁港 | 徳仁港(久高島)→安座真港 |
---|---|
09:00 11:30 15:30 |
08:00 11:00 15:00 |
安座真港周辺のMAP
安座真港 ~久高島安座真定期般切符売場船待合所~
(所在地 沖縄県南城市知念安座真1062)
■安座真港までの距離(車の場合)
・南城市役所…約 10.7km(17分)
・那覇空港…約 26.2km(46分)
・沖縄県庁…約 22.6km(40分)
待合所で入手した久高島の観光リーフレット
待合所で久高島の情報を少しだけ入手できた。
久高島の地図も載せているリーフレットが置いていて、島内の観光スポットを歴史を交えて紹介していた。
観光情報についての参考サイト
■久高のシマ時間
https://kudaka-island.com/
→島の暮らしとつながる南城市久高島観光交流サイト
■久高海運
https://kudakakaiun.jimdofree.com/
→久高島フェリーを運営している会社のサイト
■らしいね南城市
https://www.kankou-nanjo.okinawa/
→南城市の観光ポータルサイト
■南城市観光協会
https://okinawa-nanjo.jp/
■南城市 公式サイト
https://www.city.nanjo.okinawa.jp/
■おきなわ物語
https://www.okinawastory.jp/
→沖縄観光情報WEBサイト
追記
|2024/08|リンク修正済み