真玉橋の石獅子(2基)|豊見城市

イリヌシーサーとアガリヌシーサー

豊見城市が発行しているガイドブックには10基の石獅子が紹介されていて、そのうちの2基が真玉橋にいる。

石獅子は由来などが不明になっているものが多いが、真玉橋の石獅子には説明板が設置されていて、そこから石獅子の歴史を知ることができた。

真玉橋のシーサー「イリヌシーサー」

イリヌシーサー
イリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

むかし、魔物と恐れられていた「ガーナー森」の伝説にまつわる石獅子。

真玉橋のシーサー「アガリヌシーサー」

アガリヌシーサー
アガリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

住宅地のなかにとけ込んでいる石獅子。


ここからは、個別に石獅子を紹介していく。

イリヌシーサー

イリヌシーサー
イリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

真玉橋のイリヌシーサーは、口をガゥッと開き威嚇の顔をしていて、ほかの石獅子と違って表情に迫力がある。

イリヌシーサー
イリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

イリヌシーサーのとなりには、説明板が設置されている。
説明板には、ガーナー森と石獅子の伝承や、真玉橋にある2基の石獅子の歴史を知ることができる(説明板の内容はこちら)。

イリヌシーサー
イリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

イリヌシーサーはガーナー森(那覇市)と縁のある石獅子で有名だ。

イリヌシーサー
イリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

石獅子はそれほど大きくなかったので、遠くからだと見つけにくいかも。

イリヌシーサー周辺の地図

イリヌシーサーは、329号線(那覇東バイパス)の歩道にいるので、場所は特定しやすい。

イリヌシーサー(場所 豊見城市真玉橋12-5の近く)

アガリヌシーサー

アガリヌシーサー
アガリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

アガリヌシーサーは、イリヌシーサーと比べると大きくて、ずんぐりとした感じの箱型(四角形)に近い石獅子だった。

説明板にあった伝承では「カラヤームイ」と呼ばれていた場所に対して立てた石獅子らしいが、向いている方向が現在カラヤームイと呼ばれている場所とは違っているらしい。

アガリヌシーサー
アガリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

後ろ姿は犬のパグやブルドッグのように見えて愛らしい。

アガリヌシーサー
アガリヌシーサー(豊見城市・真玉橋)

壁の色と同化していて、なかなか擬態のうまい石獅子。

アガリヌシーサー周辺の地図

アガリヌシーサーは住宅地のなかにいる。
豊見城市が発行している『観光ガイドブック』を頼りに石獅子さがしを始めたが、ガイドブックの地図だとおおまかすぎるので、探し当てるのに手間取った。

アガリヌシーサー(場所 豊見城市真玉橋7-3の近く)


イリヌシーサーの横の説明板の内容

「字真玉橋のシーサー(石獅子)」

集落に置かれるシーサー(石獅子)は、ムラの守り神として、外から入ってくる様々な邪気をはね返すために据えられ、その災厄をもたらすとされる対象【山丘や森、ガマ(洞窟)など】に向け立てられていることが多い。字真玉橋には2体のシーサーが集落内の別々の場所に置かれている。
このシーサーは、地元では「イリヌシーサー」と呼ばれ、集落西側に位置し、かつては漫湖に浮かんでいたガーナー森に向けて立てられたのだという。
昔、ガーナ―森は大きな魔物で、真玉橋の人々を食べようと夜な夜な襲ってきた。村人が困っていたところ、天から3つの大きな石が降ってきて、魔物の尻尾を押さえ付けたため、魔物はそのまま動けなくなり湖面に浮かぶ小島・ガーナ―森になったという。村人たちは神の加護に感謝し、以後ガーナー森が襲いかかってこないよう、シーサーを置いたと伝えられている。
もう1体のシーサーは、「アガリヌシーサー」と呼ばれ、集落のほぼ中心部、生活道の脇に置かれている。このシーサーは、国場川を隔てた対岸の高台・カラヤームイ(または瓦屋原:那覇市国場)に向け置かれたものと伝えられ、一説には、カラヤームイからの風難を防ぐための守りであるとの由来が残されているが、こんにちカラヤームイの位置する北側ではなく、東側を向いていることについてはよく分かっていない。
イリヌシーサーは、戦前までイリグムイ(用水池)の傍に置かれていたが、戦後は位置の変遷があり、現在は国道329号那覇東バイパス脇の道路沿いに据えられている。ガーナ―森はすっかり陸地になってしまったが、イリヌシーサーは今でも西の方角の魔除けとして集落を守っている。
現在、字真玉橋では「シーシウガミ」と称して旧8月15日にはアガリ、イリの両シーサーに果物や饅頭を供え地域の災いを防ぎ住民の健康祈願をおこなっている。

真玉橋の石獅子のさがしかた

~車の場合~
真玉橋の石獅子は2基が近距離にいるのでさがしやすい。
まず「真玉橋公民館」を目標にして向かい、公民館の近くまで来たら安全に駐車できる場所に車を置いて、歩いて探したほうが見つけやすい。

豊見城市の石獅子に関する参考サイト

一般社団法人 豊見城市観光協会

豊見城市観光協会の公式サイト。
「豊見城市内のシーサー(石獅子)たち」という記事があり、写真入りで石獅子を紹介している。

豊見城市公式サイト

豊見城市の公式サイト。
「文化財を見よう(文化財説明板)」という記事で、ほかの文化財と一緒に石獅子の項目もある。

石獅子を探すときに使った資料

  • 『豊見城市観光ガイドブック』 豊見城市観光協会発行
「豊見城市観光ガイドブック」

『豊見城市観光ガイドブック』は、豊見城市全体の観光情報を載せているが、そのなかに石獅子を特集した「気になる!? まちなかのシーサー(石獅子)」というページがある。
そのページで、豊見城市にある10基の石獅子を紹介していて、おおまかではあるが地図もあるので石獅子さがしに役立つ。