沖縄本島の最南端にあるグスク「具志川城跡」
沖縄にはグスクは多数あるが、石垣の一部のみ残っていたり、手入れがあまり行なわれず雑木林の中などに埋もれてしまったりして、知られていないグスクが多い。
糸満市にある具志川城跡は、世界遺産には登録されていないが、定期的に整備されているグスクなので見学におすすめだ。
具志川城跡のようす
具志川城跡は小さな駐車スペースがあり、城内を散策できる道も設けられているグスクだ。
整備されているため散策しやすくグスクに興味がある人にはありがたい。
グスクについての説明板も立っていて、歴史を知ることができる。
史跡 具志川城跡
具志川城跡は、沖縄本島最南端に位置するグスクです。海に突出した標高約17mの海食崖に築かれており、城門付近以外は三方が断崖となっている特異な立地となっています。城内には地元で「ヒーフチミー」と呼ばれる穴があって海へ通じています。本城跡は発掘調査で得られた遺物により、12世紀後半から15世紀中ごろまで利用されていたことがわかりました。
本城跡の周辺には「佐慶グスク」「上里グスク」「山城グスク」「束辺名グスク」「当間グスク」「喜屋武古グスク」が位置し、「具志川城跡」を含めて、沖縄のグスク時代、それぞれが縄張り機能を活かした広大な『グスク』を形成していたと考えられます。
火ふき穴
沖縄にはたくさんのグスクがあるが、はるか昔の建築物なので用途がはっきりしないところがたくさんある。
ありがたいことに具志川城跡では説明板があり、歴史を学ぶことが可能だ。
「ヒーフチミー」についても小さな説明があって次のように書かれていた。
ヒーフチミー(火ふき穴)
地元で「ヒーフチミー」(火ふき穴)と呼ばれている穴です。内部は石灰岩の空洞になっており、海へ通じます。伝承によるとグスク当時、荷物の上げ下ろしや有事の時の避難に使われていたと伝えられています。
具志川城跡は崖ぎりぎりの場所にあるため、海を眺めることができる。
訪れた日はあいにくの曇りだったが、晴れた日だと青く美しい海を見ることができる。
具志川城跡までの道
具志川城跡へは、道路のところどころで案内標識が立っているので目安となり訪れやすい。
畑に囲まれた道を通ることもあるが、南端を目指すように進めばグスクに到着できる。
のどかな田舎風景を見ながらのドライブも楽しめるからおすすめだ。
【こぼれ話】2007年頃の具志川城跡のようす
10年以上前の具志川城跡の写真があるのでオマケで紹介。
史跡 具志川城跡 昭和47年5月15日 国指定
この城は、断崖の付け根のところに城門があり、そこから一段下って二の丸、さらに一段下って本丸が海に突き出ています。石垣は珊瑚性石灰岩の野面積みですが、門の部分には、切石を用いた痕跡が残っています。城の規模は、長さが東西82~3メートル、南北の巾は二の丸で33メートル、本丸で16~7メートルです。二の丸には穴(俗に「火吹き穴」)があって海に通じています。
久米島の伝説によれば、この城は久米島の具志川城主真金声(まかねくい)按司が伊敷索(いしきなわ)按司の二男真仁古樽(まにくたろ)に攻められて落城し、島を脱出して本島に逃れ、故郷と同じ名の具志川城を築いたといわれています。その真偽は不明ですが双方の立地や規模、構造はよく似ています。
沖縄県教育委員会/昭和53年3月31日
具志川城跡周辺のMAP
具志川城跡
(所在地 沖縄県糸満市喜屋武1730-1)
■具志川城跡までの距離(車の場合)
・糸満市役所…約 5.66km(13分)
・那覇空港…約 15.5km(31分)
・沖縄県庁…約 17.9km(33分)
観光情報についての参考サイト
■糸満市
公式サイト