那覇バスターミナルにある木の生えた謎の岩は何?(那覇市)

仲島の大石から那覇の地理を知る

仲島の大石
都市開発でカフーナ旭橋という街区になっても変わらない仲島の大石

沖縄をめぐっていて、たまに取り残されたような林や岩などを見かけて、邪魔なのに何でどかさないんだろう…と思ったことはないだろうか。

実はそういう珍しいものは御嶽になっていることが多く、神聖な場所なので移せないのだ。

那覇バスターミナルにある仲島の大石も似たようなもので、ターミナルの大規模な改修工事を行っても昔のままの場所に鎮座している。

【単語】御嶽ウタキ…大まかにいえば聖域のこと

仲島の大石のようす

仲島の大石
改修工事があっても元の場所にある仲島の大石(沖縄県那覇市)

那覇バスターミナルの横に、岩の上に木の生えた奇妙な景観がある。

この岩は「仲島の大石」と呼ばれていて、岩の前には小さな社があってシーサーが守護している。

近くには説明文があり次のように紹介されている。

沖縄県指定史跡 天然記念物/昭和33年3月14日指定
仲島なかしま大石ウフイシ

高さ約6m、中央部の周囲は約25mの琉球石灰岩で、岩の下の方は波に侵食されてくぼんだ「ノッチ」と呼ばれる跡があり、昔このあたりが海岸であったことを示している。久米村の人々は「文筆峰」とも呼び、村の風水にかかる縁起のよい大石として珍重していた。
また、この付近に仲島の遊郭があり多くの遊人が訪れ賑わっていた。 歌人として有名な「よしや(吉屋チルー)」も、この遊郭で短くはかない生涯を終えたと伝えられている。 1908年(明治41年)には仲島の遊郭は辻に合併移転し、大正初年までにはこの付近は埋め立てられ現在に至っている。
平成2年3月

【参考】仲島の大石と同タイプの岩

伊計大橋
伊計大橋下の海岸に仲島の大石と同タイプの岩がある(伊計島)

確かにこの大石は沖縄の海岸ではよく見られる形状のものだ。

見慣れているからこそ、なんで海にある岩がここにあるんだ? と以前から思っていた。

しかし那覇の開拓の歴史や仲島の大石の説明を読めば納得だ。

改修前の仲島の大石

仲島の大石
改修工事前の仲島の大石御嶽(沖縄県那覇市)
仲島の大石
改修工事前の仲島の大石(沖縄県那覇市)
仲島の大石
改修工事前の仲島の大石、奥が那覇バスターミナル(沖縄県那覇市)

「カフーナ旭橋」という都市再開発でいつの間にか大規模改修工事が始まり、現在は那覇バスターミナルと複合ビルができて様変わりしたが、大石だけは変わらず前のまま。

かなり変貌したターミナルだったが、かろうじて昔の面影のある景色が残っていてほっとした。

沖縄には御嶽があちこちに鎮座しており、ほかの県の感覚でいえば、神社のような聖域と同じだ。

こうした場所では時おり手を合わせる方がいて、香炉が設けられていることもある。

拝んでいる人の邪魔をせず、また香炉をうっかり倒してしまわないように気をつけよう。

【参考】御嶽で見かける四角いタイプの香炉

斎場御嶽
看板の右にある四角いものが香炉(斎場御嶽)
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パワースポットなの?沖縄の「御嶽」って何?
→「御嶽」を紹介した記事

仲島の大石周辺のMAP

仲島の大石
(所在地 沖縄県那覇市泉崎1-20-3あたり)

※那覇バスターミナルや県立図書館の横

■仲島の大石までの距離(徒歩の場合)
・ゆいレール「旭橋駅」…約 0.165km(02分)
・那覇市役所(那覇市泉崎1-1-1)…約 0.368km(04分)

観光情報についての参考サイト

■NAHANAVI 那覇ナビ
https://www.naha-navi.or.jp/
→那覇市観光協会のサイト

■那覇市 公式サイト
https://www.city.naha.okinawa.jp/

■おきなわ物語
https://www.okinawastory.jp/
→沖縄観光情報WEBサイト

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