八重瀬岳に睨みを利かせる照屋の石獅子(糸満市)

バス停近くに鎮座する照屋の石獅子

照屋の石獅子
照屋の石獅子(沖縄県南城市)

糸満市の道路・77号線のバス停近くに、わりと大きな石彫りの獅子がいる。

サイズが大きかったため、運転していても存在に気づくことができたが、パッと見では何かわからなかった。

正体が気になって、安全な場所に車を停めてから見に行くと、近づくにつれて形状から石獅子かも…と思い、近くにあった説明板と表情を見て村落獅子だと知った。

照屋の石獅子のようす

照屋の石獅子
照屋の石獅子(沖縄県南城市)

バス停近くに鎮座している村落獅子は「照屋の石獅子」という。

道路から見ると背を向けているため一見すると獅子には見えない。

背を向けている理由だが、照屋の石獅子は厄除けのために設置されていて、八重瀬町にある八重瀬岳に睨みを利かせているからだ。

照屋の石獅子
照屋の石獅子(沖縄県南城市)

後ろ姿は石柱に見える照屋の石獅子だが、顔は口を開いていて舌らしきものもある。

あちこちで石獅子を見てきたが、ほかの石獅子と比べると顔の造りが細かいようだ。

石獅子についての説明板

照屋の石獅子
照屋の石獅子の説明板

石獅子のとなりあった説明板には次のように書かれていた。

糸満市指定有形文化財(彫刻)/一九七七年四月一日市指定
照屋の石獅子
この石シシは、字照屋のヒーゲーシ(火返し)として設置されたもので、ヒーザン(火の山)と云われ人々から恐れられた八重瀬岳をにらみつけるように置かれています。旧暦十月の「ニーゲーシの御願」の時には、村御願が行われます。この獅子に関する資料は残っておらず、製作者及び年代は明らかになっていません。市内には座波・大里・与座・名城にも石獅子がありますが、特に照屋の獅子は見事とされ、美術的価値が高いと言われています。
獅子は字照屋七四一-一番地照屋バス停脇にありましたが、平成十四年三月十一日、集落の発展と道路拡張により現在に移設されました。(前位置は歩道にポイントで示す)

・高さ…約一m、最大長…約六十cm、最大幅…約四十cm
・素材…琉球石灰岩

平成十四年三月/糸満市教育委員会


糸満市には照屋の石獅子以外にも村落獅子がいるようだ。

村落獅子にはちゃんとした住所がなくて探しにくいが、別の石獅子を発見できたら別の記事で紹介していくつもりだ。

【こぼれ話】石獅子のいる場所

照屋の石獅子
照屋の石獅子があった場所

石獅子は沖縄のあちこちに鎮座している。

村落獅子は厄除けの役目が大きく、ムラの入口に置いて外部から厄が入って来ないようにしたり、特定の何かに向けて火返し(厄除けと同じような意味)として設置されている。

照屋の石獅子のように道路拡張などの理由でもともとの位置から移動していることもあるが、位置が変化していない場合は、むかしのムラのようすを知るツールにもなる。

照屋の石獅子周辺のMAP

照屋てるや石彫いしぼり獅子しし
(所在地 沖縄県糸満市照屋 あたり)

■照屋の石獅子までの距離(車の場合)
・糸満市役所…約 2.27km(04分)
・那覇空港…約 12.1km(22分)
・沖縄県庁…約 14.5km(25分)

観光情報についての参考サイト

いとまん観光ナビ

糸満市観光協会

糸満市
公式サイト