むかしから語られているキジムナー
沖縄にいる妖怪として有名なキジムナー。
むかしから目撃情報があるが容姿が特定しておらず、恐ろしい存在だったり、人を助ける良い存在だったりと、さまざまな伝承が残っている。
わが家にもキジムナーにまつわる話があったので記事にしてみた。
キジムナーにまつわる話
その1. 庭にあったガジュマルの木
子どもの頃に木登りをしていたら幹に大きな釘が刺さっていた。
釘はただ刺さっていて、木に何かを打ちつけたようすはない。
不思議に思って祖父にガジュマルの釘について聞いてみた。
すると、祖父は「木に釘を打つことでキジムナーが出てこないようにしている」と答えた。
わが家では、木(ガジュマル)にいる精霊が出てきて悪さをしないように、木に釘を打って閉じ込めている、という考えのようだった。
その2. 睡眠中にやって来て乗っかってくる
毎夜、眠りについた頃にキジムナーが家の中へ侵入し布団の上へ乗ってくる。
体は金縛り状態で身動きがとれず、近くにいる兄弟に「助けて」と声をかけようとするが言葉も出ない。
苦しくて何度も脱出しようと試みるが、うまくいかず、キジムナーが乗っている状態がしばらく続いた。
母が学生の頃にキジムナーに襲われたという体験だが、母いわく、夢の中で見ていたようだけど、キジムナーが外から家の中へ入って来る様子がわかり、欄間を抜けてくる姿も見えたという。
布団に乗ったキジムナーの姿は、真っ黒で体重もあり、重くて苦しく毎回うなされた。
母には近くに兄弟がいることも見えているが、兄弟にはキジムナーの姿は見えないらしく、また母が苦しんでいることにも気づかなかったという。
わが家では、母の体験からキジムナーは人に悪戯をするよくないモノと聞かされた。
一般的に知られているキジムナーについて
キジムナーとは
- 木の精霊説…老木に宿る精霊とされる
- 妖怪説…森に住んでおり、老木をねぐらにしている
- 子どもに似た姿をしていて、髪の毛は赤色をしている
- 真っ黒い姿で表情などはわからない
- 丸い形をしていて目や口があり、木にいる
- シーサーに似ていて、森の中を歩いていた
- 魚が好き、とくに目玉を好む
- イタズラが好きで、時には人を惑わしたりする
- おならとタコが嫌い(ほかに、ニワトリ・熱い鍋の蓋などもあるらしい)
キジムナーのやさしい面
- 一緒に漁にでると手伝ってくれて、大漁になる
- 仲良くなると幸運をもたらす
キジムナーの怖い面
- キジムナーがいる木を切ったりすると、報復にあう
- 怒らせると報復にあう
- おならが大嫌いでキジムナーの前で屁をすると報復にあう
◇
以上がよく耳にするキジムナーについてだが、容姿は定まっておらず、幸福を招く存在だったり、怖い存在だったりと、いろんな伝承がある。
キジムナーは特定されていないため、「沖縄で正体不明なものを見た=キジムナーかも」というカタチで未だに目撃情報がたびたびあるようで興味深い。
沖縄ではヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなど、新種が発見された経緯もあるので、キジムナーと言われている個体のなかには新種の生きものもいるのでは!と、個人的に少し期待している。