沖縄の民話にでてくる龕マジムン
むかしの人たちは、すべてのモノには霊魂が宿っているという精霊信仰を強くもっていた。
沖縄も精霊信仰があり、語り継がれている民話のなかには、モノが化けて人を襲ったという話がある。
精霊信仰が関係している民話はいくつかあるが、今回はその中の「龕マジムン」を紹介していく。
むかしの人たちは、すべてのモノには霊魂が宿っているという精霊信仰を強くもっていた。
沖縄も精霊信仰があり、語り継がれている民話のなかには、モノが化けて人を襲ったという話がある。
精霊信仰が関係している民話はいくつかあるが、今回はその中の「龕マジムン」を紹介していく。
祖父母の家の庭にはガジュマルがあった。
幼い頃、そのガジュマルに登って遊んでいたが、ガジュマルには大きな釘が打ってあった。
その釘は五寸釘といえばサイズがわかりやすいかもしれない。
釘はガジュマルの幹に深く打ちこまれていて、子どもの力では引き抜くことはできなかった。
小さい頃は気にならなかったが、ある程度の年齢になると、なぜ木に釘を打っていたのか不思議に思うようになった。
まずは両親に、庭のガジュマルに釘が打たれているのはなぜかを尋ねてみた。
しかし両親はガジュマルに釘が打たれていたことすら気づいておらず、釘を打っている理由も知らなかった。
次に祖父に尋ねてみたところ、「ガジュマルにはキジムナーがいるから出てこないように木に釘を打つんだよ」と答えが返ってきた。
これまでそういう風習を知らなかったから驚き、うちには変わった風習があると思っていたが、調べてみると「キジムナー封じ」といわれていて、むかしからあったようだ。
私の周りではキジムナー封じを知る人が少なかったことから、現在はあまり知られていない沖縄の伝承で、今後はさらに知っている人が減っていくだろうと思った。
キジムナー封じがされていたガジュマルだが、枯れてしまったので今はもうない。
ガジュマルは生命力が強い木なので、枯れてしまったと知ったときは驚いたが、キジムナー封じをしたことが原因なのだろうか。
沖縄にいる妖怪として有名なキジムナー。
むかしから目撃情報があるが容姿が特定しておらず、恐ろしい存在だったり、人を助ける良い存在だったりと、さまざまな伝承が残っている。
わが家にもキジムナーにまつわる話があったので記事にしてみた。
那覇市を走るゆいレールの奥武山公園駅から、221号線に沿って東方向へ歩いてくと、那覇大橋を渡る前の右側の少し奥へ入ったところに雑木林がある。
今は林の前に建物があって道路からは見えにくいが、この雑木林が「ガーナー森」だ。
現在は陸地にあるガーナー森だが、むかしは奥武山公園がある一帯は河口(漫湖)となっていて、奥武山もガーナー森も河口に浮かぶ島だった。
そして、島だったときのガーナー森は「魔物」だったという伝説があちこちに残っている。