八重瀬町の宜次地区には4体の石獅子が鎮座していて、「北の獅子」「北東の獅子」「南の獅子」「西の獅子」と呼ばれている。
今回はそのうちの宜次「西の獅子」を紹介する。
宜次地区の西の獅子
宜次地区の石獅子の存在は、八重瀬町でほかの村落獅子を探していたときに初めて存在を知った。
今回紹介する西の獅子は、鎮座している場所が珍しくわかりやすかったので急きょ探しに行き、無事に見つけることができた。
しかし運がよかった部分があり、もしかしたら見つけられず諦めていたかもしれない。
というのも、探しにくい条件だったからだ。
宜次の西の獅子は少し高くなった斜面に鎮座していた。
位置的には目立つが問題は草の中に埋もれそうになっていた点で、風が吹いて姿が見えたこと、そして茶色だったから目立ったため、偶然探せたようなものだ。
ここで「石獅子なのになぜ茶色?」と疑問に思う人もいるだろう。
実は宜次西の獅子はもともとは石造りだったが、壊れてしまったので現在は焼きものの獅子となっている。
こうしたいきさつを知らずに散歩をしていて、ふと焼きもののシーサーが目に入ると、「なぜ草むらにシーサーがいるんだろう」と不思議に思うはずだ。
そして、こんな所に一匹だとかわいそうなので家へ連れて帰ろうという人もいるかもしれない。
でもシーサーは連れて行かれないようセメントで固定され、ムラの守護神がいなくならないよう、ちゃんと対策はされていた。
それにプラスして、そこが獅子の定位置だと気づけるように案内板があればいいのにと思った。
八重瀬町の宜次地区には、黄金団地付近に1体、集落の前に1体、ほかの2体は互いに近い位置に鎮座しているようで、合計4体の村落獅子がムラを囲むように配置されているという。
この4体でムラの東西南北を守護するという考えから石獅子の場所を決めているようだ。
4体のうち今回発見した西の獅子ともう1体は残念ながら壊れてしまい、壺屋焼きの獅子を代わりに置いているらしい。
沖縄では先の戦争で焼け野原になったのでなくなってしまったものは多い。
しかし身近なところに視線を向けてみると、残っているものがあり大切に守られてきて、先人たちから歴史が受け継がれていることに感動する。
史跡めぐりをしていると、こうした思わぬギフトがあるからやめられない。
宜次西の獅子周辺MAP
宜次西の獅子
(所在地 沖縄県八重瀬町宜次598-1近く)
■宜次西の獅子までの距離(車の場合)
・八重瀬町役場(八重瀬町字東風平1188)…約 3.64km(08分)
・沖縄県庁(那覇市泉崎1-2-2)…約 7.26km(15分)
・那覇空港(那覇市字鏡水150)…約 11.4km(22分)
観光情報についての参考サイト
■八重瀬町役場 公式サイト
http://www.town.yaese.lg.jp/
■おきなわ物語
https://www.okinawastory.jp/
→沖縄観光情報WEBサイト